所有から共有へ 消費行動の変化を狙う「シェアビジネス」

シェアビジネス

インターネットの著しい普及に伴うコミュニケーションの多様化を背景に、新しいビジネススキームが続々と産まれています。とりわけ、「シェアビジネス」は大きな注目を集め、従来の「所有」から「共有」にシフトする消費行動は「シェアリングエコノミー」と呼ばれる一大トレンドを形成するにいたりました

シェアビジネスは、高いお金を払ってまで所有しようとは思わないけど、安値で使わせてもらえれば十分という現代のニーズに応える形で日本だけでなく世界中で拡大を遂げています

シェアビジネスとは

シェアビジネスを理解するには、まずシェアリングエコノミーとはどのようなものなのかを知る必要があります。シェアリングエコノミーとは、何かしらを所有する人または会社が、それを普段使っていないときに、誰かに有料で貸し出すという、お金や財の周り方を言います

車を例に考えると、普段は土日にしか乗っていない人からすれば、平日は車が活用されておらず、無駄に放置されている状態にあると言えます。そこで、普段使用しない平日は、誰かに貸し出すことで、車という財が有効に活用されることになります。もちろん、このとき車を貸す人にはお金が入り、車を借りる人はお金を払うことになります。

シェアビジネスは、この限定的な「貸したい」「借りたい」の声を結びつけることに目を付けたものです。一般的には、プラットフォーム(ウェブサイトやアプリなど)を構築し、貸したい人と借りたい人のマッチングや取引の成立をサポートするサービスを提供します。

ビジネスである以上、どこかでマネタイズする必要がありますが、たいていの場合はプラットフォーム使用料として仲介手数料を貸す人または借りる人、あるいは両者からいただくことで成り立っています。この他にも、プラットフォームで付加的な関連サービスを提供したり、広告を掲載したりと、マネタイズの方法はいろいろ考えられます。

シェアの対象はさまざま

シェアビジネスでは、さまざまな財や権利がシェアの対象となり得ます。先ほど触れた車の他にも、宿泊所としての住宅や駐車場、バッグに衣服におもちゃなど。場合によっては、労働力やお金などもシェアの対象に含まれ、前者はクラウドソーシングとしてすでに一定規模の市場が形成され、後者は個人間融資として今後の市場開拓が予想されます

特に最近では、住宅のシェア、つまり「民泊」が話題になっています。米国発の民泊プラットフォーム「Airbnb」(エアビーアンドビー)を筆頭に、住宅のシェアは日本においても急速に浸透しつつあります。

Airbnb

保有する住宅や物件を宿泊施設として登録・宿泊したいというニーズをマッチングさせるプラットフォームを提供するサービス。同サービスは2008年8月からリリースされ、現在192カ国33,000の都市で80万以上の宿を提供しています。  

シェアリングエコノミーが生まれた背景

シェアリングエコノミーが生まれた背景には、通信の発達があります。今では個人であってもスマートフォンやタブレットを使ってさまざまな情報を取得できるようになり、コミュニケーションも多様化しています。

プラットフォームが介在することで、何かを貸したい人と借りたい人がインターネットを通じて容易につながるようになったのですシェアビジネスは、通信の発達により汲み取れるようになったニーズに焦点をあてたものであり、何も新たなニーズを創出しているわけではありません。

法律等に抵触するおそれがある

シェアビジネスが拡大するスピードはあまりに速く、法整備が追いついていないのが現状です。裏を返せば、シェアビジネスでは適法性が問題になることが多々あり、完全に適法であるかはわからないまま実際の取引が行われています

例えば、車を商行為として貸し出す場合、「道路運送法」に従うとともに、事業者として許可を得る必要があります。お金を取って自家用車を第三者とシェアすることが商行為に該当するかどうかは、判断が難しいところです。現在、車のシェアビジネスを行なっている業者は、解釈を異にすることなどで同法の適用対象外であると主張していますが、実体としては法的にグレーな行為であると考えられます。

また、住宅のシェア、つまり民泊に関しては、これまで旅館業法に従い、事業者として許可を得なければ行なってはならず、参入ハードルが高いものでした。しかし、こちらは住宅宿泊事業法(民泊新法)が2018年6月に施行される見通しで、実体に照らして規制が緩和されています。

シェアビジネス自体というよりも、貸す人と借りる人との間の金銭のやり取りが法律に抵触するおそれがあり、シェアビジネスが今後日本において拡大するためには積極的な法整備が必要になるのは間違いないでしょう。シェアビジネスを行う事業者は協会を立ち上げ、法整備や規制緩和を働きかけています。

なお、クリアしなければならない課題は法律だけではなく、シェアする財や権利にかかる各種契約や規定などもあります。例えば、もし借家をシェアするのなら、賃貸借契約に照らして転貸が可能かどうかを確認する必要があります。

シェアビジネス市場はブルーオーシャン

シェアビジネスは、通信の発達の恩恵を受けて生まれた新しいビジネスです。前述の通り、実体的には法整備や規制緩和など大きな課題があり、参入障壁は決して小さくありません

しかし、だからこそ、シェアビジネスの市場はブルーオーシャンだと言えます。シェアリングエコノミーは世界規模のトレンドであり、今後日本においても大きなビジネスチャンスになることは間違いないでしょう

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東京のベンチャー企業で働くアラサー男子です。好きなものは音楽とウーロンハイ。今を生き抜くためのカギ、“副業”についてのアレコレを発信していきます。